2022年最終戦「さようなら井口監督」
2022年10月2日日曜日、今年一年間の最終戦に行ってきた。
対戦相手はマジック1を残し優勝を決めきれずここまで来たソフトバンクホークス。対するマリーンズは順位は5位確定、監督の続投報道もあり正直消化試合だ。
千葉マリンスタジアムのスタンドは直前にホークスが優勝を決めなかったことからチケットは前売りで完売とコロナ禍以来の満員となる大混雑。胴上げの有無関係なくやたらとダイナミックプライシングの値付けが高価で、最後に見たときは3塁側内野A指定で2万円を超えていたような…。
一言で言うとアホとちゃうかである。
こんな販売方法でお客さんに来てもらおうという気があるのか、それとも金のある人だけ相手にするということなのか、千葉ロッテ球団の考え方は計り知れない。ただ言えるのは今季継続して行ってきた実数とかけ離れた観客動員数の発表と言い、フロントの内側にも事情があったのだろう。
さてそれでも満員の観客は心躍るのも事実だ。しかも相手は胴上げだけを目標にしてきている、今日は順位関係なく、別にもう一方の優勝候補のオリックスへの感情とは無関係に、とにかく胴上げ阻止だけが肝心だ。
先発は今季ローテをほぼ守るもひどい勝率に終わった小島だが、今日は安定したピッチング。抜群ではないが緊張?したホークス打線を十分に抑えていた。胴上げへの責任を一身に引き受けた柳田にはさすがの一発を浴びるが、これは相手のレベルが高すぎるといった感じ。
今年一年間、今日の投球も決してこんな成績や勝ち星で終わるものではなかっただけに、マリンガン打線には何とかして来年以降でおつりが出るくらいの援護をしてやってほしい。
そしてこの試合は何といっても山口。以前の秋のロッテを思い出させる勢いで9月はホームランを量産、この試合でも柳田の一発で沈んでいた球場の空気を一変させる逆転スリーラン。1年通じて30本以上の可能性が見えた選手を起用し続けられなかったのは今年を代表するストレスの一つだろう。
来年は開幕から打線の中心として1年間活躍してほしい。
試合はこの山口の一発をきっかけにマリーンズに傾いた。
途中、小野が守備の乱れでピンチを招くも何とか乗り切り、中押し点もあり危なげなくオスナにつなぎ勝利。
スタンドスクリーンにはオリックスの速報が表示され続けており、ほんの少しだけ先にオリックスが勝利を決めていた為、この瞬間、ソフトバンクホークスはマジック1までたどり着きながら優勝を逃したのでした。
マジック点灯までして優勝出来ずと言えば昨年のマリーンズも近いものがあり、勝つべき時に勝てなかったチームが勝つには時間がかかるかもしれない。
試合後、まずはソフトバンクホークスが1年間応援してくれたファンに向かって挨拶。悔しさでいっぱいの挨拶する姿はファンにとって複雑な気持ちになるものだっただろう。ロッテファン的には来年もホークスは強そうだなと感じるしかないしっかりとした姿だった。
最後に迎えた千葉ロッテマリーンズ最終戦セレモニー。例年であればMスプラッシュが「ご声援ありがとうございました」の幕をもって登場するはずが、それがなく何がいつもと異なる雰囲気を感じたが、スタンドはそんな私の感覚とは無関係に井口監督続投に反対する声があがりだす。
それもそうだ。年々お友達内閣は深まり、試合後のコメントは無責任な言葉の連続、5年間の結果は冷静に見ても”外国人頼み”であり、マスコミが言うような若手育成の結果は形になっていない。このような状況で平然と挨拶があるのか、ファンの厳しい視線は井口監督にまっすぐにぶつけられた。
その井口監督から発された言葉は意外なものだった「私の責任です」「退任します」。期待を裏切った2022年、最後の最後に井口監督はファンの声にこたえてくれた。この声にスタンドからは大歓声があがり、今年一年間の閉塞感を払しょくした。困惑と笑顔が混在したスタンドではあったが、最後は胴上げされ千葉ロッテマリーンズから去った井口監督には感謝もあるが、残念な気持ちもそれ以上に複雑な感情を持つ人が多いと感じた。
ただ1年の最後が来年も応援したくなるものになって良かったと安心したファンの笑顔が印象的な2022年の最終戦になった。
ちなみにこの試合の翌日以降、コーチ陣の退団が続出。様々な報道もあったが、ここまで個人派閥でコーチ陣が組まれていたのかと思うと長期政権の弊害を感じずにはいられず、健全なフロント・現場ではない関係になっていたのかもしれない。全ては1ファンの想像だが、過去にもボビー達が一掃されたこともあったし、謎の女史一派の騒動もあった。常勝軍団でも、頂点を目指すでも何でもいいのだが、選手が活躍出来るチームになるようにして欲しい。そんなことを思いながら2022年の応援を終えた。